東京駅は近年大幅改装され、戦中に消失して別の様式になっていたところが昔風に戻されました。
その流れで「東京ステーションギャラリー」もリニューアルされました。
おそらくスペースを有効活用するためか、広いながらも各階の空間毎でいびつになっています。
それが単調な展開をうまく防いで、少し探検しているような気分になります。
写真は移動する階段を上に向いて撮ったもので、壁面は残っている古い煉瓦が剥き出しで使われています。
駅自体を文化遺産として見せる工夫です。
ここが出来て自分にとって大変有り難いです。
定期的に東京へは出張しますが、ウロウロする時間もなくとんぼ返りすることもしばしばです。
そう行った環境下でもほぼ通ることになる東京駅に美術館が、しかも改札を出てすぐ脇ににあるため、わずかの時間でも有効活用出来ます。
しかも企画展示を主体とする美術館であるため、毎回新しいものが拝観出来ることになります。
このときは大正から昭和にかけての日本画家「不染鉄(ふせんてつ)」の企画展でした。
精緻な町並みの描写に特徴があるので是非とも生で観たい画家の一人でした。
なんとサインペンやボールペンを使用して描いているのです。
私も筆ペンやサインペンを使って絵を描くので、うまさの次元は違えど共感できます。
「デルタカフェ」のトイレに掛けてある新旧の「アルファスパイダー」も、キャンパス地にサインペンと筆ペンで直に描いています。
モノクロに近い色調は、破天荒な人生を送った彼の心象を投影した風景なのでしょうか。
画家の人生っていろいろあるなといつも教えられます。