高市政権が誕生した頃の、2025年10月に中国を旅してきました。
帰って来た直後に、台湾有事に関する発言で、日中関係が悪化し始めたので、すごいタイミングの訪中だったと思います。
ただ、日本のマスコミが伝えている内容と、実際に旅した印象は、ずいぶんと違っているので、その辺りを比較しつつ取り上げたいと思います。
旅立つ前も、「反日テーマの映画が、中国内で立て続けに上映されていて、反日感情が高まっている。」と、ネガティブな報道が結構流されていました。
このときは、日本側だけが騒いでいたようで、中国側から目立つ動きはなかったと思います。
写真は、まさしく反日映画「731」のポスターの一枚です。
太平洋戦争中に、細菌兵器の開発のため人体実験を行った「石井731部隊」を題材にしており、現地の映画館で観てきました。
極寒の中、何故か花魁道中が出てきたりと、かなり現実感に乏しい作品でしたが、残虐な日本人はしっかり登場していました。
その陰惨な現場は、中国東北部の哈爾濱(ハルピン)郊外に、今も残されています。
日本の終戦をテーマにした番組とかで、よく取り上げられる場所ですが、いつも禍々しい雰囲気で映し出されています。
しかし、行ってみると、印象が随分と違いました。
「侵華日軍第七三一部隊遺址」という物々しい名称で、大きな博物館も併設されていますが、観光施設としての雰囲気が強いのです。
その博物館は、約一時間待ちの大行列で、10月なのに雪が降っている中を、ガイドの人と一緒に並びました。
日本は、まだ蒸し暑い感じが残っていただけに、体がついてけません。
待っている間、ガイドの方と日本語で話すしかないので、ここで喋って大丈夫なのかと、おそるおそる聞いてみましたが、全く心配しなくていい、との回答。
実際、日本語で喋っても、周囲も雑談で盛り上がっていて、日本人とか関係ないようです。
それなりに緊張していたので、拍子抜けしました。
ただ、博物館の大きなロビーには、ここの映画が上映中ということもあって、何種類ものポスターがこれでもかと掲示されていました。
博物館内は、お約束の蝋人形を展示しており、ショッキングなシーンが表現されていました。
私はその前で、日本語での説明を聞いているのですが、皆さん気にならないようです。
この辺のギャップには、あとあと気がつくことが多々ありました。
ここは愛国教育のために、日本人が中国人にどんなにひどいことをしたか忘れないための、〝国恥施設〟になります。
下の写真は、発掘された建物跡ですが、大屋根に覆われて、徹底して保存されていました。
人の感情とは別に、国としては「遠い過去には絶対しない。」という強固な意思を感じます。
最期の写真は、ここのアイコンである「ボイラー棟の残骸」です。
補強された裏側から撮影したもので、張りぼて状態に驚きました。
残念だったのは、表側に回ろうとしたとき、携帯の充電が20%は残っていたのに、突然切れてしまい、正面からの記念撮影が出来なくなったことです。
氷点下近いため、充電が不十分だと切れてしまうと、ガイドさんから先に言って欲しかった説明がありました。
凹んで表に回ると、小学生の低学年くらいの集団が記念写真を、微笑ましく撮っています。
どうも遠足のようです。
おそらく愛国教育による「憎むべき日本人像」があまりにもおぞまし過ぎるのでしょう。
実際に目の前にいる日本人とのギャップが大き過ぎて、同じ存在である実感を、みなさん抱いていないように感じてしまいました。