2020年3月21日土曜日

助川城


山城というよりは斜面にある城です。

太平洋に面した斜面をずっと車で登っていきます。

3月の暖かい日で梅がきれいに咲いていました。

本丸周辺まで到達するとかなりの標高になり、本当に太平洋がよく見えました。

ほぼ横一直線の海岸線になっていて左右の陸地がかなりの遠望まで見渡せます。

実はこの城の目的はまさしく海にあります。

幕末に日本の近海を通る不届きな(?)外国船を打ち払うためです。

そのためここには砲台が設置され、「助川海防城」とも呼ばれます。

築城を命令したのは「徳川慶信」の実父である水戸藩主だった「徳川斉昭」です。

尊皇攘夷の権化のような彼らしい築城で、1836年のことですから黒船来航よりも前で、この近海に外国船がよく出没していたことが伺えます。

水戸藩で近代化の話はあまり聞いたことがありませんので、大砲の性能は大したことないと思いますが、この高さなら要塞の佇まいを示すことで相手を威圧することも多少は出来そうです。

蒸気船と言えども見下ろせそうですし、高いところから発射することで飛距離も稼げると思います。

しかしここで戦争が行われたのは「天狗党の乱」に関わることで、幕府軍に下と横から攻撃され、海と関係なく落城してしまいました。

激動の時代に皮肉はつきものですが、本来の目的では使用されませんでした。

城らしい跡は模擬復元された石垣くらいでしたが、本当にいい天気だったので思いの外ひなたぼっこを楽しみました。

太平洋の雄大さ果てしなさをつくづく感じました。

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