いい宿、いい泉質のある温泉地はそれなりにありますが、温泉地全体の景観が素晴らしい場所はそうそうないように思えます。
大分県に近い熊本県小国町にある「杖突温泉」がまさしくそれで、写真は早朝に川っぱたを散歩中に渡れる中州で撮影したものです。
もうもうと立ち上る湯煙が山から降りてくる霞と交わり、川の風と音が自分に迫ってくる気配は仙人にでもなったような境地でした。
宿からの道中も、下りの階段が迷路のようになっていて、踊り場の所々に食物を蒸す釜からも湯気が出ていたり、日常に使用されている昔ながらの風情がありました。
全盛期のバブルを経て廃れている傾向はどことも同じですが、ミシュランに掲載されている店(一つは一つ星)も複数あったりと、全体的に気を吐いて頑張っている印象があります。
宿泊先の接客も丁寧で、お湯も単純アルカリ泉の中では相当レベルの高い部類でした。
しっとりしていて非常に気持ちが良かったです。
専門的にはメタケイ酸が豊富らしいのですが、何がどうなのか肌感覚ではよく理解出来ませんでした。
意外にも会社の旅行で行ったのですが、参加者全体では田舎すぎて不評でした。
しかし私にとってはラッキーで、周囲に気づかれずに少しほくそ笑んだ次第です。
(このブログを書いた後に、現地が6月の大洪水で被害に遭われました。一日も早く復活されることを祈念いたします。)
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