2016年2月27日土曜日

最北端



日本の最北端「宗谷岬」です。

風速30m・気温マイナス10℃。

周囲には誰もいないのですが、知りたくもないのに頭上の電光掲示板が教えてくれます。

吹雪で遅れがちになっている特急を、終点より一駅手前ですが岬よりの「南稚内駅」で下車し、ラッキーにも岬方面のバスに乗ることが出来ました。

「午前中ですが、猛吹雪のためおそらく今日の最終便です。」とバスの運転手。

私しか乗客はおらず、往路の「宗谷岬」停留所で降りると復路で戻ってくるのは15分後とのこと。

もし乗ってこなかったら捜索して欲しいと頼んで、勇気を出して降り立ちました。

凍ったように見えるのに、颯爽とした佇まいの「間宮林蔵」像が迎えてくれましたが、残念ながら目的のラーメン屋も含めどの店も開店してません。

凍った路面に吹雪いているので、滑って立ってられません。

しかもデジカメも寒さで動きません。スイッチを押しても全く反応しないのです。

仕方ないので、胸元でカメラを暖めながら四つん這いで像に近づき瞬間的に撮りました。

「間宮林蔵」は江戸時代末期に、ここから北方探検に向かい「間宮海峡」を発見します。

謎が多く、隠密とも言われており非常に興味深い方です。

しかし世界地図で、名前付の地名が確認出来るのは、日本人だとこの方だけです。

バスに乗り込むまで、終始お辞儀をしたようなかがんだ体勢で、この像を見ていたせいかより偉大さが増しました。

とにかく無事に戻れて良かったです。

2016年2月20日土曜日

南蛮造


夜の「小倉城」です。

B級グルメ店は旅の目的として訪れてますが、麺系は特に好きです。

「小倉焼うどん」を目的に何店舗か巡りましたが、正直イマイチでした。

満腹ながら寂しい気持ちで撮影した一枚です。

最上層が下層よりも大きい「南蛮造」と言われる様式ですが、この昭和に再建された天守は、観光面を考慮して本来の屋根にないはずの「破風」が装飾で付けられており、西洋鎧のような「のっぺり」した感じをあえて変えているそうです。

築城者は「細川ガラシャ」の夫である戦国武将の「細川忠興」で、支離滅裂な印象を持っています。

戦国武将に対しては、自分なりにイメージを作り上げて楽しんでいるのですが、この人物のイメージはどうも掴めていません。

茶の湯では「千利休」の高弟として、その路線堅持の印象が強い反面、「高山右近」のようなキリシタンでもないのに、この城のように南蛮文化にも染まっています。

家臣を何人も無礼切りした逸話もあり、何かにつけて中途半端な印象が強いです。

歌道を極めた父「細川幽斎」や「明智光秀の娘」でもあるガラシャ夫人に囲まれて、窮屈というか寂しかったのかなと思います。

ただし、京都にある彼の菩提寺「高桐院」の苔庭は見事です。

特に冬の雨の日、彼の「無心の境地」を感じました。

2016年2月13日土曜日

複線跡


「サンライズ出雲」にて山陰の松江に向かう際、停車した「新見駅」で偶然撮影しました。

晩秋の線路内を駅員の方がテクテク歩いていました。

伯備線と姫新線、芸備線からの終着駅としての役割も含め、3路線が合流する中国地方内陸部の主要駅ですが、基本的にローカル線の集合であり駅もかなり鄙びています。

しかし線路の数は半端ないです。

雑草が伸び放題であることから使われてませんが、おそらく蒸気機関車時代の名残と思われます。

松本清張原作の映画「砂の器」の舞台となった亀嵩(かめだけ)が近くにあり、蒸気機関車が登場するシーンとダブります。

不便だったでしょうが、石炭や水を補給する設備等の名残りがいっぱいで、勝手にタイムスリップしてワクワクしてしまいました。

今の電化された便利な駅の環境を享受している立場としては恐縮ですが、鉄道好きとしてジオラマ作るなら古い時代が好みです。

停車時間が過ぎて動き出すまで、更に妄想は進み、蒸気機関車在りし日のジオラマ作成をイメージして楽しみました。

そのうち作ってしまうんだろうなあ。

2016年2月6日土曜日

ニューカレドニアのプジョー


海外で車の国籍を見ると、どの国の植民地だったか、経済依存しているか、何となくわかります。

南洋の島であるニューカレドニアは今もフランス領で、プジョーが数多く走っています。

この車もかなりの旧式ですが、バリバリの現役です。

建物も古い欧風の現役が多く、両者ともフランスの雰囲気をよく伝えています。

ワインも意外に安い値段で飲め、それに合う料理も多い場所です。

過去に原住民との悲劇・軋轢がなかったわけではないでしょうが、結果的には双方の文化が馴染んでいる気がします。

私自身が古いラテン車に乗っているせいか、この雰囲気に非常に感銘を受けました。

日頃から愛用している物に年季が入ってくると、本来の物が持つ魅力と自分の感性が溶けて混じってくる気がします。

今使っている車とこんな風に長くつきあいたいです。