今回の旅は山形県です。
今は廃止となりました夜行列車「ムーンライトえちご」にて、新宿から新潟へ向かい、羽越本線に乗り換えて北上しました。
「鶴岡駅」にて下車、バスにて出羽三山の一つ「羽黒山」を目指し、そこにある「出羽三神合祭殿」をお参りしました。
そのあと担いできた折りたたみ自転車に乗り、山を下って駅まで戻る予定でしたが、やって来た自動車道と違う本来の「長い石段の道」に気がつきました。
非常に魅力を感じてしまい、予定を変更してエッチラオッチラ階段を下りることにしました。
庄内平野がよく眺められ、途中に「水戸黄門」に出てきそうな風情の茶店があって一服したりと、自転車を担いだ肩はかなり痛かったのですが、選択は間違っていませんでした。
写真は、国宝「羽黒山五重の塔」です。
「神仏習合」が普通だったことを象徴するものであり、神式と仏式が共存していた名残です。
普通は、神社に仏塔はありません。
明治初期に「廃物希釈」の嵐が吹き荒れた際、仏教建築はことごとく破壊されました。
その中で、この塔のみが唯一奇跡的に生き残ったのです。
杉木立に制圧されそうですが、周囲の広大な伽藍跡が往時を物語っていて、ポツンと佇んでいる様は孤独というか寂しそうに見えます。
だからこその「凛」とした存在感を強く感じました。
また地域的には密教系の信仰がもともと共存しており、僧侶がミイラとなる「即身成仏」がこのあたりに多いのも特徴です。
大らかに何事も取り込んで、どんどん積もっていくような「日本の信仰形態」の縮図を見る思いがしました。
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