東北本線に乗っていると、「白河駅」のフォームから全体の威容が綺麗に見えます。
この日はあいにくの雨で少し霞んでますが、ベルナールビッフェの風景画みたいで気に入りました。
石垣の総構えで、堀も残っており、天守閣も貴重な「木造再建」です。
「石垣・堀・天守閣」の三拍子揃っているのは、東北地方では、青森県の「弘前城」・かろうじて以前に取り上げた宮城県の「白石城」と、おそらくここだけです。
城に関してはどこも興味深くて好きですが、観光の視点では明らかに「西高東低」を感じます。
ここが面白いのは、城内庭園は「バラ園」となっていることです。
日本の城郭なのに不思議な趣を醸し出しています。
天守閣から「ベルばら」の「マリーアントワネット」か「オスカル」でも出てきそうです。
実際の「白川藩」の藩主であり城主で有名な人物は、教科書で習う「寛政の改革」の立役者「松平定信」です。
「儒教」思想の強い彼が、この光景を見たらどう思うでしょうか。
前例・伝統を重んじ、近くに中国風の「南湖園」を造っている感性からすると、多分激怒するのではと思います。
「改革」を遂行して良さそうな印象が教科書では感じられますが、彼の政策は「質素倹約」という名の「財政緊縮政策」であり、経済政策としてはデフレを招いて大失敗でした。
歴史の教科書全般に言えることですが、政治的に取り組んだ政策の列挙のみならず、効果的にどうだったのか、各論併記でも、考察はもう少し加えて欲しいものです。
この辺りを生徒が賛否分かれて討議するような経験をすることで「使える歴史」の勉強になる気がします。
「経済」に疎い方々が教科書を作っていたんだと、大人になってから感じます。