新潟県魚沼市にある彫刻家「石川雲蝶」の彫刻に彩られた西福寺の開山堂です。
しかし写真の通り、建物の頭上に大きな保護のための屋根(というか建物?)がついていてビックリしました。
周囲を散策しても古寺らしい風情も意外なくらいなく、興がそがれたのですが、なかなか伺うこともないので見学することにしました。
この方は有名な鑑定家の発言により、「日本のミケランジェロ」と一部で呼ばれるようになりました。
正直言い過ぎと思いますが、積極的に地域観光に活用されているようです。
実際に内部を見学すると、立体的で極彩色の作風は独特であり、超絶技巧と称えられるだけのことはあると思います。
しかし毒々しい灰汁のようなものも感じました。
派手ですが、華やかには感じられないのです。
もともと江戸の出身であり、若くして才能を認められて名字帯刀を許され、20代で幕府の御用勤めに抜擢されています。
ものすごい出世です。
そのスーパーエリートが何故、わざわざ越後まで行って養子になったのか?
生涯が幕末にかかった激動の時代とはいえ、文化人が田舎に疎開する必要性はそんなに高くないかと思います。
しかも江戸での作品が全く残っていないのが不可解です。
何か陰みたいなモノばかりを強く感じてしまうのは私だけでしょうか。
世俗的な争いが、彼の作風に影響を与えているとついつい考えてしまいます。
今後も関心を寄せていきたい人物です。
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