2020年6月27日土曜日

縮景園


「広島城」のお膝元にある、浅野氏の大名庭園「縮景園」です。

中国の西湖周辺の景観を縮めて表現したことから「縮景」の名称があるそうです。

典型的な池泉回遊式庭園で、閉園近くに伺ったので人も少なく、初夏の日差しが陰る中を優雅な気持ちでぐるりと散策出来ました。

その中心にあるのが、写真の「跨虹橋(ここうきょう)」です。

一般的には、どの日本庭園も中華の題材は取り入れていて、それを和風に昇華していると思っています。

しかし周遊中の景観は和風なのに、これがチラチラ眺められることで、中華風なテイストが常に降りかかってくるのが不思議な感じでした。

アイコンの印象操作って本当に重要だと思います。

話は変わりますが、街中にあるこの庭園も、原爆の被害を当然のように受けました。

その惨状が庭のところどころに写真付きで紹介されており、消し炭の中に水たまりがあるようにしか見えない庭園に、石造りのこの橋だけがポツンと残っているのが印象的でした。

この原爆被害を、イエズス会宣教師が取り上げたことから、キリスト教圏でも「アサノパーク」として有名だそうです。

何を越えても「平和」について考え続けることは大切だと感じます。

2020年6月20日土曜日

鹿教湯温泉


「かけゆおんせん」と読みます。

長野県上田市にあり、鹿に化けた文殊菩薩が、お湯の湧き出る場所を教えたことからこの名称になったそうです。

1200年前からあるそうで、温泉街には温泉病院もあり規模は大きいです。

愛媛県と埼玉県を結ぶ帰省の山間ルート上にあるので、共同浴場「文殊の湯」に伺ったのですが、始業時間が昼前で残念ながら入れませんでした。

朝の10時頃なら大丈夫だろうと、自分にしては余裕を持って寄っただけに残念です。

更にがっかりしたのは、川の脇に建てられた今風の公衆トイレみたいな外観でした(奥行きはそれなりにあり大きいのですが)。

歴史ある温泉地の共同浴場にしては、風情も何もあったものではありません。

単純温泉であることからも、次回にチャレンジする意欲は失せてしまいました。

しかし写真にある通り、すぐ脇の川を渡る橋についてはサプライズでした。

「五台橋」と呼ばれるそうで、この周辺が最古の源泉地らしいです。

昔の風情が残っていていい感じです。

夏場で汗をかいていたので、ここに座って川の穏やかな風で涼むことが出来て快適でした。

湯上がりでないのが非常に残念でした。

2020年6月13日土曜日

井伊谷



丁度、大河ドラマ「女城主直虎」がやっている最中に訪れました。

性別も何をやったのかもはっきりしない人物を、主人公にしてよく一年間放映したなと、感心します。

しかし戦国大名が台頭していく中で、その軋轢に揉まれる中小領主の苦悩がうまく描かれていたと思われます。

写真は初代「井伊共保」が使った産湯の井戸で、家紋の由来ともなりました。

ココが発祥の地として、周辺が領地としてこじんまりまとまっています。

以前から「井伊氏」には興味を持っていました。

「井伊直政」は、昔からの忠臣が多い三河武士団の中で、最後発で家臣団に加わったにもかかわらず、「徳川四天王」でも一代で筆頭に踊り出ます。

徳川家康とどんな関係があったかわかりませんが、相当な実力がないと出来ないことです。

大きな起点は、直前まで家名が衰えていて大した家臣団もいないため、武田氏滅亡後の旧家臣団を引き受けて侍大将となり、その「赤備え」まで自軍の個性として継承したことかもしれません。

伝統のないことがかえって好機を生んだようです。

傘下にされた側は「粋」に感じて、戦ではモチベーション高く奮起したと思われます。

徳川の時代になっても、他の四天王「本多・酒井・榊原」は大一族のため、多くの藩に分散されていますが、「井伊」は一族も少ないので「彦根藩」のみです。

「集中」することで、かえって目立つ存在になっている好例だと思いました。

2020年6月6日土曜日

展望台列車


箱根に向かうため、久しぶりに新宿駅から小田急線の特急「ロマンスカー」に乗りました。

今は純白のボディで流線形がより強調されているせいなのか、以前よりこじんまり見えます。

先頭席は予約済で空いてないので、普通に横窓の景色を楽しみました。

写真は到着の小田原駅で偶然見つけた「5000系」の展望列車です。

私にとっては、子供のとき絵本でかっこいいと思った電車の第一号で、そのドポイントの実物に思わず見とれてしまいました。

赤とクリームのラインが美しいですが、いよいよ引退だそうです。

裏話を聞くとデザイン重視のため、先頭車両は後方にしか出口がなく、乗り降りが渋滞して運行に相当手間がかかったそうです。

日本で満員乗車率が一番の小田急線です。

定時運行の難しさも他線の比じゃなかったように思います。

しかし勇退後の活躍も楽しみです。

地方鉄道に払い下げられることも多く、以前に長野電鉄でりんご畑の中を颯爽と走っているのを見かけてビックリしました。

頭でっかちな車体が、カーブがきつい踏切をゆっくりと駆け抜けるのを観て、田園風景のほうが車体が映えると感じました。

呆然としていて写真を取り損ねたのが非常に残念です。


いまどきのロマンスカーです。
これもカッコいいです。