20年以上前の車ですが、どうしても忘れられない存在でした。
壊れる車の代名詞「マセラッティ」。
イタリアの名門メーカーですが、そもそも基本設計上の問題が多いと噂されてます。
しかし、いつもお世話になっている京都のクルマ屋さんに相談している中、極上の限定モデルを見つけてくれました。
これも運命だと、思い切って購入した次第です。
「クアトロポルテ」と呼ばれる車種で、直訳すると「四枚ドア」。
変な名前です。
その通り、4ドアセダンの後輪駆動方式、ツインターボのエンジンです。
デザイナーは「マルチェロ・ガンディーニ」。
この方がデザインした車にどうしても乗りたかったのです。
多くのスーパーカーを手掛けており、「ランボルギーニ・カウンタック」も、彼のデザインです。
その特徴が、後輪の一部を覆うような足まわりのデザインに出ています。
直線基調のラインに、独特のエッジも効いています。
京都から乗って帰ってきて、そのまま仕事で使っていました。
しかしすぐに異音が発生するようになり、修理のため約一ヶ月で帰京してしまいました。
部品を探してからの修理となるため、いつ復活して戻ってくるかわかりません。
「ブルーセラ」と呼ばれる、淡いメタリックブルーと、オレンジ色に近い、オール革張りの内装。
どこか普通ではない魔性の雰囲気が漂います。
短い期間ですが、堪らない刺激を日常で感じさせてくれていました。
何気なく駐車場で撮っただけの、これらの写真が遺影とならないように祈るばかりです。
復活した暁には、ちゃんと旅に出かけて、素敵な景色を背景に写真を収めたいものです。