2024年7月27日土曜日

エリーチェ


写真をご覧下さい。

これほど美しい石畳を観たことはありませんでした。

現時点ですが、自分の世界No. 1です。

おそらく超える存在はないと思うくらい衝撃でした。

日本に帰る最終日の早朝に、無理して向かった甲斐がありました。

ここは、空中都市「エリーチェ」と呼ばれる町で、そのメインストリートになります。

(すみません。ここでブログのアップが途切れてました。以下は追加の文です。)

尾根の頂上に近いところ、標高751mの場所に築かれており、一辺が700~800mほどの正三角形に収まった市街地になっています。

地元の新居浜と比較すると、別子銅山跡地の「東平(とうなる)」ほどの高さだなと、勝手に想像して親近感を覚えました。

町の規模は小さいので、一通り外周の三角形を散策することにしました。

町の入り口となる「トラーパニ門」は、左隅のポイントで一番の西側になります。

その近辺に車を停めて、門から眼下の景色を眺めましたが、真下にある都市「トラーパニ」と、その先に拡がるティレニア海がよく見渡せました。

高地だけに、一段と気温が下がっていますが、そのぶん空気が澄んでいるおかげかと思います。

そこから南側の一辺を進み、右隅のポイント(一番東側)に鎮座する、下の写真「ノルマン城」に向かいました。


もともとは、古代ギリシャ人が築いた要塞都市ですが、12~13世紀にノルマン人がやってきて、ヴィーナスに捧げた神殿跡に築いた城だそうです。

ギリシャ文化を地中海世界に拡げていったギリシャ人や、ノルマン人のヨーロッパへの侵入など、世界史の教科書で習う出来事です。

それらが、イタリアにある南の島まで影響を及ぼしていたのを、ここに立つことで強く実感出来ました。

町でも一番の高所となり、そこからは山側の景色なのですが、山々は展望のかなり眼下にあり、その先のシチリア島の輪郭と地中海が拝めました。

もっと天気が良ければ、アフリカのチュニジア(つまり、カルタゴの本拠地)も望めるそうですが、それは叶いませんでした。

ここは、カルタゴの配下ににもなっています。

歴史的な展望、景色も含めて全てが圧巻でした。

今回の旅行で、新たな好奇心を呼び起こす、一番の拾い物と感じた訪問地となりました。

2024年7月20日土曜日

カルタゴ


 シチリア島の一周も、いよいよ終盤です。

時計に例えると、時計回りで10時くらいまで来ました。

空中都市「エリーチェ」に向かう時に、海の中洲がかろうじて見えます。

ここは「フェニキア人」の通商国家「カルタゴ」の遺跡で有名な場所です。

紀元前3世紀に、「ローマ」と地中海の覇権を争った「カルタゴ」。

現在の北アフリカにある「チュニジア」辺りを中心地域として、地中海を挟むように対峙しました。

そのため中間地帯となるシチリア島西部は、「カルタゴ」の拠点となったようです。

そのため、「ローマ」とシチリア島の領有を巡って「ポエニ戦争」が始まります。

名将「ハンニバル」のアルプス越えによるローマへの攻撃とかもありましたが、虚しく紀元前146年に滅亡しました。

そのため、謎に包まれた状態でしたが、手つかずの中洲でその遺跡が発見されたそうです。

今回は時間がありませんが、紀元前のアフリカに存在した国家がどのような文化を持っていたのか、興味の対象がまた一つ増えました。

でも今は時間がありません。

相変わらず、慌ただしい旅です。

2024年7月13日土曜日

ジャンカルド村②


何の木かわかりませんが、日本で見たことのない景色を堪能しつつ、第2の「ジャンカルド村」に向かいました。

アフリカが近い風土であることを、この木から勝手に想像してしまいます。

映画「ニューシネマパラダイス」の舞台「ジャンカルド村」は、二つの街を混合して構成されています。

以前取り上げた海側の街と、今回の向かっている内陸部の街です。

幼少期の主人公「トト」が日常を過ごし、村人が行き交っていた広場がここにあります。

下段の写真の通り、そのままでした


よく場面に出ていた噴水に教会です。


ロケのときも、大した装飾は加えず、そのまま使用されていたようです。

今も、幼少期の「トト」役だった方は、この村に住んでいるらしいです。

旅した後に知ったことですが、そのとき出会っても違和感を感じないと思いました。

この広場を散策すると、全方位がロケ地なので、自分が映画の世界に入ったような感覚が得られました。

正月なので、観光客は見当たらず、余所者は自分達くらいです。

時代が違うとはいえ、見かけたおじさんおばさんも、当時の映画の雰囲気を紡いでいるようでした。

映画の主人公でもある、壊された映画館のセットも、ここにあったはずで、もっと長い時間佇んでいれば、幻すら見えてきそうな気がしました。

 後の予定が押してなければ、もっといたかったです。

今回の旅行は予定の計画をこなしているのですが、異常なくらい未練が溜まってきました。

2024年7月6日土曜日

ゴッドファーザーの邸宅


旅の流れに前後しますが、訪れたのは初日の夕刻でした。

映画「ゴッドファーザー」は自分のバイブルです。

社会人になるまで観てなかったのですが、一つ好きな映画を問われたら、これを選ぶと思います。

3部作の全てに、シチリアは舞台として出てきます。

話が逸れますが、デルタカフェにある「ランチアデルタ」のグレード名称は「コレツィオーネ」
です。

主人公「マイケル・コレツィオーネ」の家名から拝借しています。

購入時、この名称に惹かれたのは間違いなく、色もデルタ標準の赤ではなく、血を思わせる濃い赤だったことが、決め手となりました。

ずっと、このロケ地に行きたくてたまりませんでした。

見所の多いこの旅でも、ここが一番の目的です。

タオルミーナの比較的近くにあり、主人公が若いときに滞在し、亡くなるラストシーンもここでした。

ただし所有者が今も住んでいるため、観光地ではなく、立ち入ることが出来ません。

それでも行くことにしました。

日中ウロウロするよりは、夕刻くらいが適当かと判断し、タオルミーナの宿入後に遠出した次第です。

着くと、がっしりした土壁に囲まれ、門も閉まっていました。

予想通りです。

金網等の隙間からでも、建物が拝めないかと期待したのですが、全面が土壁のみで、全く無理でした。

それでも通りの反対側に、土手っぽく上がれそうなところがあったので、登ってみました。

通報されないかドキドキです。

すると特徴的だった屋根の出窓が見えました。

これだけでも感激でした。

邪魔に感じた土壁も、映画の世界観がよく体現されています。

絵画を鑑賞するように壁を見入って、かなり満足した次第です。


この雰囲気は、家づくりに取り入れたいです。
日本の風土に合わせられるか難しいですが。