2016年3月26日土曜日

菜の花畑


最近「勝浦タンタン麺」で名前を売り出している千葉県勝浦市の周辺で、山道を走っている際に偶然見つけた景色です。

太平洋に面し、関東でも最も早く「春の訪れ」を感じる地域です。

個人的に一番大好きな花が「菜の花」です。

鮮やかな黄色が見えると「希望」も見える気がします。

年度末、仕事で追い詰められていることが多いので、何度この「黄色」に心が癒されたかわかりません。

写真の死角となる手前からも一面「黄色」で、田畑一帯が埋め尽くされているのを眺めて、死にかけていた気持ちがフツフツと蘇っていくのを感じました。

既に内示も出ていて大阪への転勤が決まっています。

残り2週間。

勝って向かうか、負けて出ていくか。

周囲の評価うんぬんではなく、この結果で自分の何かが変わってしまう恐怖で身震いします。

この景色は千葉での「訣別の景色」として強く印象に残っています。

毎年蓄積された反動のエネルギーは、デルタカフェの出発に繋がっていると思います。

2016年3月19日土曜日

高石垣


丸亀駅のフォームからよく見える丸亀城ですが、いつ見ても石垣が見事です。

ちょこんと乗っかっている天守閣は、現存12天守の一つで重要文化財なのですが、実体は小さな三層櫓です。

単体では正直残念なのですが、そのしょぼさが皮肉にも石垣をより大きく見せます。

城において、希少な建築物があっても主役は石垣というのは珍しいと思います。

そして雰囲気は日本城郭というよりも、むしろ西洋の城壁に近い印象です。

石垣の勾配が急で、何段も積み重なっているので、迫る壁のように見えます。

城主は名門京極氏ですが、天守閣が見えなければジャンヌダルクが居てもよさそうな雰囲気です。

特に霞(かすみ)のかかった早朝は迫力が増します。

以前に車で近くに横付けした際、天守閣のある最上段がかすんで石垣しか見えませんでした。

まさしく「ジェリコの壁」です。あらためて石垣フェチだと痛感しました。

別にここの天守閣が嫌いなわけではありません。

2016年3月12日土曜日

只見線②


「会津若松駅」に着くまでほとんど闇でした。

各駅毎の駅舎の明かりしか印象が残っていません。

新潟県と福島県の山奥同士を結ぶ線です。

時間も遅いのでただでさえ少ない民家の灯も消えていたと思われます。

全く景色が見えないことに納得出来ず、予定を変更して翌朝引き返すことにしました。

日本海へ注ぐ「阿賀野川」へとつながる「只見川」に沿って、遡るように延々と走ります。

山も川も凍っているように見え、並走している街道にも車が全く走ってないので、列車以外は時間が止まっているように感じます。

写真は「会津川口駅」での一枚です。

停車時間が長かったので、下車して散策しました。

風もなく静寂が周囲を支配しています。

列車もエンジンを切ったのか、途中から完全に「音のない世界」でした。

歩くと雪の音を鳴らしてしまうので、もったいなくてじっとしていたくらいです。

マニアックですが、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する悪の帝王「デュオ」の、時間を止めるスタンド「ザ・ワールド」を思い出しました。

引き返して本当に良かったです。

2016年3月5日土曜日

只見線①


大いなる秘境線「只見線」の「只見駅」です。

雪が降り積もるのか、本来のフォームではなく随分離れたフォームに列車が停車しており、あやうく駅舎に取り残されるところでした。

この線は乗客も少なく、とっくに廃線になっても本来はおかしくありません。

しかし豪雪地帯で道路が遮断される恐れがあるため、収支関係なく法的に鉄道を残さざるを得ない環境にあります。

今回は始発駅の「小出駅」にたどり着くだけでも一苦労です。

青春18切符を活用し、東京方面から各駅停車で向かいました。

関越トンネルと平行に走る清水トンネルを抜けて「越後湯沢駅」に到着、まさしく川端康成「雪国」に登場するような雪景色が待っていました。

更に雪深い先に「小出駅」はあり、やっとスタートです。

約三分の一の工程にある「只見駅」にて下車、飾り気のない街並みを抜けて、目的の「只見温泉」に向かい入浴しました。

しかし受付のおじいさんに後から伺った話ですが、温泉成分の臭いが不評だったらしく濾過して使用しており、ボイラーの石油臭が強くて残念でした。

喫茶店も周囲にありません。

温泉併設の「保養センター」という名ばかりの、何もない「ロビー」にて2時間程度過ごし、写真の列車に乗って「会津若松駅」に深夜やっとこさたどり着きました。

雪国の厳しい現実を感じつつ、今回の話は続きます。