2019年3月2日土曜日

佐伯祐三アトリエ記念館


JR山手線の目白駅から1キロほど西の住宅街にあります。

画家「佐伯祐三」のアトリエ付住宅を整備して記念館に仕立て直し、最近公開されました。

佐伯公園とも呼ばれているらしく、テクテク歩いて向かいました。

おそらく日本人の洋画家の中で一番好きです。

どの作品というわけではないのですが、荒いタッチに殺伐とした情景が全体的に好みです。

このアトリエがまだ和風建築だったときの、確かそれを描いた作品がありましたが、どこかのタイミングで洋館に建て直したのでしょう。

この写真とその絵の記憶が、全く同じ空間であることに感動しました。

雨がパラパラ降ってきて、空の色が絵でよく描かれるような鈍色になっており、ますますラッキーです。

東京都心部の山手線界隈でこんな景色がいまだに残っていたのは奇跡だと思います。

その「佐伯祐三」ですが、東京美術学校を卒業したエリートです。

その後パリに向かいました。

しかし、その滞在中に、前回話題に出した画家「ブラマンク」に自分の描いた絵を「このアカデミックめ!」と罵倒されたりして、大きなショックを受けたようです。

その後に描かれた自画像には自身の顔がありません。

有名な画風は、そのときに悶々とする中で確立していったようです。

この辺の展開がファンになっている理由と思われます。

その後、残念なことに彼は結核を患って一度帰国することになります。

でも、再度渡仏します。

そしてそのまま30歳で没したのです。

その時期に描かれた絵は、どれも画家の心情が発露している気がします。

一緒にパリに来ていて、子供の看病をしていた奥さんにも看取られませんでした。

悲しいことに子供も翌年亡くなったようです。

どんな環境で生活していたんでしょうか?

画家だけでなく、家族の悲惨な人生を痛感してしまいます。

だから惹かれ考えさせられてしまうのですが。


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