以前取り上げた「山代温泉」に滞在した有名人の一人に「北大路廬山人」がいます。
彼が滞在した寓居跡があり、そこに伺って非常にいい勉強が出来ました。
漫画「美味しんぼ」に登場する主人公の強烈な父親のモデルだったので、結構お坊ちゃんだと思っていたら全然違いました。
生まれは京都の加茂神社「社家」の出身ですが、明治初期の混乱期で父母ともに不幸な別れ方をし、里親の不遇も重なって悲惨な幼少期を過ごします。
そんな中炊事をすることで、料理の味覚と基本を学んだそうです(本当かなあ?)。
画家・書家を目指しつつも、食えないため職を転々とし、朝鮮に行ったりもしています。
素封家の食客として転々とする中で人脈を築き、ここの生活でも食器や美食に対する見識を高めたそうです。
ビデオでも蟹に代表される北陸の幸が紹介されていて、その後の高級食材路線に繋がっていく流れが説明されていました。
陶芸の世界でも「器から出汁が出るようだ。」とはよく言ったものです。
写真は廬山人が作庭したここの庭です。
供された「加賀棒茶」を飲みながら眺めていると、意外だったのは華やかな側面よりも苦労人としての世界観が出ている気がしました。
石の周りにびっしり生えた木々を丸く刈り上げていて、何かに寄り添っていくように見える感じがしました。
家族に寄り添うことの大切さを教えてくれているようでした。
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