写真は、「清朝」2代皇帝「ホンタイジ」の王宮において中心となる「鳳凰楼」です。
軍政の協議や宴を行う場所でした。
初代「ヌルハチ」の王宮も並んであり、「瀋陽故宮博物院」と呼ばれます。
北京の「紫禁城(故宮)」と合わせて世界遺産に指定されています。
「清朝」黎明期で、「後金」として建国された時期です。
既に「明朝」を脅かす存続として、中国東北地方の「女真族」をまとめていました。
両皇帝の王宮内部を巡っていくと、「武力」だけでなく、統治していくための「規律」や「秩序」を構築しようとする姿勢を、垣間見ることが出来ます。
中国王朝の施設にしては小振りな感じがしますが、大きくなっていく国の未来を見据えて、学んでいる為政者の謙虚さが伺えます。
「ホンタイジ」の晩年に、「大清国」建国の式典がここで催され、次に即位した3代目「順治帝」になってすぐに、明朝を滅ぼします。
そして北京に遷都し、「紫禁城」から中国全土を統治していくのです。
この後「康熙帝」、「雍正帝」、「乾隆帝」の三代で最盛期を迎えます。
「女真族」統一から、200年の長期にわたり、6代連続で有能な皇帝が続いた希有な王朝です。
しかし近代化に遅れ、乾隆帝逝去から約40年後の「アヘン戦争」でイギリスに敗れてしまうと、国力が一気に傾きます。
ここまでの中国史では、建国者の志を忘れてしまった王朝は、次の王朝に交代するのですが、今回は海外の列強が侵入してきました。
ここから映画「ラストエンペラー」に描かれるような、内紛と侵略の悪夢が100年以上続くことになります。
最後の写真は、宮廷の料理場にあった穀類を砕く道具です。
日本とはサイズの感覚が違います。
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