大分県国東半島にある「富貴寺」です。
教科書にも載っていて、平安期の建築物で国宝に指定されています。
素朴な風合いが素晴らしいと評価されてました。
学生の頃からずっと行きたかったのですが、機会がなくて訪れたのは30代半ばだったと思います。
実際に行くと、駐車場から道路を挟んだ上り端に階段があります。
上がっていくと山門を経て、すぐに「富貴大堂」がありました。
・・・国宝ですが、何とも普通です。
8世紀建立の楼閣風寺院とか、何とかの説明がありましたが、正直なところピンと来ません。
私のそんな雰囲気を察したのか、ガイドらしきおじさんが寄ってきました。
言われるには、今でこそ国宝指定されて整備されたが、ずっと荒れ放題で住職もおらず、近隣の農民が使う寄合所、いわば公民館の位置づけだったそうです。
建て直すお金もなかったので放置されたままでしたが、崩れずに何とか持ち堪えていたら、国宝になったとまで言い切られました。
周囲の関係者が聞いたら、クビにならないか心配なくらいでしたが、あきれるくらいのストレートな説明に、思わず楽しくなってしまいました。
実際のところ、木造建築物である以上、国宝や重要文化財クラスでも、大改修のときには、多くの木材が入れ替わります。
一度に消滅しなければ、命脈を保てるのが文化財の面白さかもしれません。
改修に尽力された方々の存在も、文化財を彩る歴史です。
一番印象に残ったのは、山門に鎮座していた石像です。
国東半島らしい愛嬌を感じます。
誰かが適当に作って置いたように思いました。
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