2日目のラストは「ラグーザ」です。
夕刻になると風はありますが、雨の心配はなくなりました。
ここも先述の大地震の影響を受けて、大規模な都市計画のもと、後期バロック様式で復興されました。
周囲の環境や空間、光までも計算に入れて、視覚効果を意識し、道路や階段をゼロ発で再建したそうです。
そのため街全体が巨大な舞台装置とも例えられ、復興地域一帯が世界遺産に認定されてます。
大晦日ということもあり、街路の路頭上には雪の結晶や雪だるまを象った電飾プレートが吊るされていて、お祭りムードが漂っています。
そんな街の中心地を抜けて、丘の街「イブラ地区」を目指しました。
その眼前に広がった景観が写真の一枚です。
夜の帳が下りる直前でした。
まさしく舞台装置さながら、CGを観ている様な、現実とは思えない錯覚を覚えました。
そのまま街中に入ると、お店の類は残念ながら閉まっていました。
旅を通じて誤算だったのは、年末年始は閉店が多く、食事に困ったことです。
コンビニもないので、朝食時に残しておいたパンとリンゴが夕食かと失望しつつ、少しだけ散策しました。
誰もいないせいか、より周囲を敏感に感じます。
軒下の装飾過多とも思えるバロック様式の彫像が、いちいち奇想天外でした。
とにかく人の顔が多いです。
寓意の意味合いが込められているのでしょうが、人物の表情は変顔になっていて、どこかふざけています。
観客というか、野次馬として今にも騒ぎ出しそうです。
照明のような街灯に照らされて、光と影のコントラストが際立ち、舞台に迷い込んだような不思議な気配を感じました。
人がいたら味わえない、ミステリアスな空間を堪能しました。
しかし、良き旅の刺激と感動はたくさん頂いているのですが、空腹です。
年越し蕎麦どころか、パスタにすらありつけない今年の最後となりました。
コンビニに慣れた日本ではあり得ないことです。
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