安土桃山と江戸初期の文化人の中で、新しい要素を取り組むという意味において、最も「ロック魂」を感じるのが「本阿弥光悦」です。
「琳派」の祖として位置づけられ、書・蒔絵・茶碗等の幅広い分野でプロデュース力を発揮します。
刀を作る「刀工」ではなく、「刀研ぎ」と「その鑑定」を家業とされていたからか、制作に対しては他人の手も借りる「協業」を前提とした柔軟な発想を感じます。
書も「俵屋宗達」とコラボしたり、茶碗も「材料調達」と「焼き」は、千利休ゆかりの「楽家」に依頼して作成しています。
「仕上げ」にエネルギーを集中し、金属の持つ硬さと輝きの要素を取り組んでいる気がします。
「雪峰(せっぽう)」という重要文化財の茶碗がありますが、出来損ないのような割れ目を「金つぎ」で仕上げています。
土と金属の微妙な調和が見事です。
この写真は、彼の墓もある「光悦寺」の入口です。
誰が作ったのは知りませんが、石畳みの構成にエッジが効いていて、「わび・さび」とも違う彼の世界観がうまく表現されていると思います。
「徳川家康」に拝領した京都北側の「鷹峯(たかみね)」にあり、「光悦村」という「総合芸術村」も営み、人材育成にも力を入れています。
彼の作品群は、超一級の「美術品・工芸品」ですが「実用性」を全く損なっておらず、「工芸」を「美術」に近づけても、「生活」をおきざりにしてません。
刃渡りの上を歩くような絶妙なバランス感覚が、本当に素晴らしいと思います。
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