島根県益田市にある「医光寺」を訪れました。
「雪舟」に縁があるお寺で、この地に滞在していたときに手がけた庭があります。
以前取り上げた京都「芬陀院(ふんだいん)」の本格的な庭と比べると、本堂の裏手に当たる山の斜面の間にひっそりと作られています。
しかも本格的に築いたというよりは、滞在中にお世話になったお礼というか、そんな気配を感じてしまいます。
大きな石を使っておらす、手頃な石を立てるようにまとめて、池あるなしに関わらず浮き島のようにこんもりさせているのは他の作例と共通しています。
一つの様式美ながら、いい意味で手間をかけてないと思います。
もともとある空間に無理はせず、そのまま周囲も活用しているせいか、眺められる部屋も小じんまりしてます。
床の間には、彼が小坊主のときの像が安置されていました。
縄で腕を縛られていたにもかかわらず、自分の涙で足の指を使い、鼠の絵を描いている様です。
別のお寺での逸話ですが、あまりの見事さに絵を描くのを許されたというものです。
置物ともいえる小ささですが、妙にここに似合っていました。
この方自身の質素な生活が伝わってくるようで、清貧さが体現されていました。
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