「大師堂???」
奄美大島の企業訪問中に、その看板があったので、気になって指し示す脇道に入りました。
すぐに説明版を発見。
その横に生い茂った木々に埋もれるように石段があります。
確か奄美大島には、毒蛇のハブが生息してます。
無謀に分け入ることも出来ないので、先ずはチャレンジする価値あるものか判断しようと思い、説明文を読みました。
ところが、大師=弘法大師はこんな人みたいな説明をしているだけです。
石像があったので忘れられないように囲ってます、みたいな内容で要領を得ません。
ますます興味が募り、赤く塗られた手すりの先がどうしても気になります。
好奇心が勝り、行くことにしました。
雨が上がった直後なので薄暗く、頭上も木々に覆われて、洞窟のように感じます。
そのせいか、赤の手すりがやたらに目につきます。
途中に寺院跡のような空間もなく、50メートルも行かないうちに、写真の真っ赤な祠に行き当たりました。
そびえ立つような端正なデザインに、いい意味で期待が裏切られました。
子供の頃に観ていた子供番組「レッドバロン」を想起します。
番組タイトルの名称を持つ主人公ロボットに、どこかイメージが似ています。
周囲にハブがとぐろを巻いてないか気にしつつ、目に当たる窓をのぞき込みました。
頭がない石像が鎮座してます。
あきらかに「廃物希釈」の傷跡です。
鹿児島県は、幕末に藩の号令のもと、徹底的な「廃物希釈」が実施され、古い寺院の建造物が完全に消滅した唯一の県です。
ひょっとしたら島でも辺鄙な場所なので、五体満足な石像が残っているかな、と期待したのですが、ここでも徹底破壊されていました。
祟りか何かで、ここに祭らざるをえないような怖い事象があったのかとも思いますが、私のレーダーは反応しません。
ただ蒸し暑い中、階段を上ってきたのですが、不思議に汗が引いていて、ミステリアスな心地がします。
もうここに来ることは二度とないと思いますが、
鹿児島県の海域でもほぼ南端に位置するこの島で、一番のスピリチュアルな体験でした。
やばい企業訪問に遅れる。