島根県松江市の市街地東部にあり、「宍道湖」と「中海」を結ぶ「大橋川」を横断するための渡し船です。
「出雲風土記」に渡しがあったと記録されていて、それを起源にすれば奈良時代から続いていることになります。
住んでいるときに乗ることはなかったのですが、その後訪れたときに是非乗っておこう思い立ちました。
当時は平日の午前7~9時のみ、所要時間約1分、料金は40円でした。
北岸が拠点となっていて、南側からの利用者は渡し場にある赤い回転灯を点けて船を呼ぶ仕組みでした。
写真は、呼んでいる間に車を撮っていたらうまく背景に収まった1枚です。
南岸から北岸へ、再び車のある南岸へ、往復料金80円でした。
そのとき乗ったのは私一人で、正直やっていけるのか不安になりました。
実際、2014年から休航しているそうです。
確かに、松江市南北を結ぶ橋は増え続けていて、とうとう高速道路もかかりました。
立地が良い場所でもないので時代の流れと言えばそれまでですが、奈良時代からの運行が終ってしまったと伺うと、このとき乗ったことは大いなる記念となりました。
松江の冬らしいどんよりした天気は、景観を灰色に染めてしまいます。
そのときの渡し船から眺めたみぞれ混じりの大橋川は、水墨画の中を進んでいるようで非常に美しかったです。
古代人も眺めたであろうあの景色は、橋からは観ることの出来ない景色なんだと、ブログを書いていてあらためて思い出しました。
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