九州東海岸を縦断する「日豊本線」の最大の難所が、大分と宮崎県境近くの「重岡駅」と「宗太郎駅」間にある急勾配で、通称「宗太郎越え」と呼ばれます。
ここを以前特急で通ったことがありますが、あまりピンときませんでした。
そのあと、各駅停車で挑戦しようとしたのですが、何故か始発便と最終便しか走ってなく旅程にうまく組み込むことが出来ません。
そのため一念発起して、これをクリアするための計画を立てることにしました。
週末の2日間を利用し、「鹿児島中央駅」を出発して、「日豊本線」を北上、宮崎県北部の中核都市「延岡駅」まで、「青春18切符」で向かいました。
ここで、廃線となった「高千穂鉄道」の遺構を散策しながら最終便を待ち、各駅停車で「宗太郎越え」を敢行する手筈です。
そのまま、終点「佐伯駅」近くのビジネスホテルにて宿泊します。
初日は、夕方「延岡駅」に、計画通り着くことが出来ました。
しかし、ここから夕食に困りました。
それなりに飲食店はあるのですが、町のいろんな式典が重なっている日らしく、どこも満杯です。
一人旅で、その一人が入れない経験はあまり記憶にありません。
最終便の時間も近づいており、店に片っ端から入りましたが駄目でした。
あきらめかけて駅に戻る道すがら、人の出てくる店がありました。
席が空いたと思いのぞくと、片付けられてない席以外に、一席だけ空いていました。
店の女主人には、よそ者だけに嫌そうな顔をされましたが、その席の隣の紳士がわざわざ進めてくれて、何とか入ることが出来ました。
お礼の流れで会話をすると、やはり行事が重なっている日であることを教えてくれました。
物腰が上品なので伺うと、やはり地場企業の社長さんです。
慌ただしい会合の後、一人でゆっくり飲み直しているとのことで、何と鉄道好きでした。
今日の探索で、うまく探せなかった「高千穂鉄道」の遺構について伺うと、存続が出来なくて無念だったこととや、訪れるべきポイントを教えてもらいました。
また、この後「宗太郎越え」に挑戦する話をすると、この急勾配のおかげで、どれだけ宮崎県北部の発展が阻害されているか熱く語って頂き、地元ならではの情報を頂きました。
お会いした記念だとビールまで奢って頂き、名残惜しく別れをして駅に向かいました。
そして、目的である最終便の各停車両を見てビックリです。
そこには、フル編成の特急が停車していて、その先頭車両のみが、各駅停車用に開放されていたのです。
写真の通り、グリーン席・指定席の上に「普通」と表示されています。
普通のワンマン車両では、今からの勾配は上っていけないのでしょうか?
ただ乗ってみると、確かに特急が力強く上っていく印象はあるのですが、急勾配なのかどうか、正直なところよくわかりません。
翌朝は、始発便の各駅停車で、鹿児島まで戻ります。
次の写真にある通り、昨日の車両が折り返すようで、同じく特急の先頭車両が解放されてます。
逆方向(福岡大分方面)には、一般の各停用車両がスタンバイしてますので、この各駅停車はやはり急勾配仕様のようです。
こちらから越えるほうが、より急勾配のようなので、今度こそ感じ取りたいと思いました。
最後の写真は「重岡駅」のフォームからで、ここから「宗太郎駅」までが最大の難所です。
でも、さほど体感出来ませんでした。
平衡感覚鈍いのかなあ。
まあ、今度来たときは、「高千穂鉄道」遺構の再確認と、ビールをご馳走してくれた社長さんのところへ、菓子折りでも持って挨拶に行きたいと思います。
急勾配を越えた感想を聞かれたら困りますが。
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