岡山県と兵庫県の内陸部を結ぶ「姫新線」。
特急や急行の類は走っておらず、各停のみです。
接続も悪いため、全線制覇の過程として、完乗するのに手間取りました。
だからこそ味わい深い路線でもあります。
乗り鉄として、早く乗り切りたい気持ちと、いつまでも乗っていたい思いが、本数の少ないローカル路線ほど、複雑に交錯します。
今回も予定を消化し、最後区間を終着駅の姫路駅に向けて走破してました。
一面雪景色でしたが天気は良く、夕映えが雪にも投影して淡い黄金色となり、よりフィナーレが近づく旅情を引き立てました。
突然だったのですが、ボックス席の前に座っていた20代前半の女性が、メール(当時はガラケー)を見た途端、「あー、腹が立つ。」と手すりをバンバン叩き出しました。
向かい合う状況で、無視する間合いも取りにくいので、「どうしたんですか?」とさらっと聞きました。
「お騒がせしました。」の返事だったのですが、憤懣やる方ない雰囲気が伝わってきます。
「これもご縁でしょうから、この近辺の人間じゃないので、終点まで話ぐらい付き合いますよ。」
と、会話が始まりました。
どうも、この後会う予定だった彼氏が暴走族で、警察に捕まったそうです。
族の仲間からの連絡らしく、さすが姫路と思ってしまいました。
以前にも下車して姫路城に行く途中、チンピラの喧嘩をよく見かけました。
その話をすると、「それは姫路への偏見だ。」と笑ってましたが、彼氏は暴走族の頭らしく、今回も仲間がやらかしたことに、責任とって連行されたそうです。
あっという間に、姫路駅に着いてしまいました。
次の乗車の予定に一時間以上あり、もともと夕食の予定でした。
いいところがないか伺うと、近くに知り合いの店があるというので、そこに一緒に行くことになりました。
この人は、ここで食事する相手がおそらく捕まったのです。
その店で、知り合いに成り行きを説明し、ドリアを一緒に食べつつ、話の続きを伺いました。
出発の時刻になったので失礼しましたが、姫新線の余韻が全く残りませんでした。
変な旅となってしまいました。
またまた受けた姫路の強烈な洗礼でした。
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