ここは長崎県にある諫早湾の干拓堤防道路です。
佐賀県から長崎県に入り、島原半島へ向かうには相当便利な道です。
干拓のために海を遮っている直線道路で、海の上を進むような感覚がありますが、この道路が築かれた経緯を考えると、刃渡りの上を走っているような錯覚になりました。
この潮受け堤防の完成に際して、最後の区間が閉門されたのは1997年4月。
1.2キロの区間だそうですが、式典参列者のスイッチオンとともに、293枚の鋼板がわずか45秒の間に次々と海底に突き刺さっていく様子は「ギロチン」と呼ばれ、テレビでも大々的に放映されました。
その様を見て衝撃を受けたのを、よく覚えています。
賛否両論あった中で、ここまで見せつけるようなデモンストレーションを行政側が実施した例があったのでしょうか。
1950年代の食糧難を解消するためというと、以前に取り上げた「八郎潟」干拓と同様の計画です。
それが今頃になって実現しても、ここに入植された農業関係者の想定されている目的(収穫高や所得水準)は達成されるのでしょうか。
海産物の影響が確実に出ている漁業関係者のことも考えると、双方に泥沼のような事情が発生しているはずです。
決めたことを進めていくことは大事なのですが、決定事項に制限期間を設定していくことは、ますます変化のスピードが増している社会に対して、これからの必要かつ重要事項かと思います。
雨とはいえ、非常に展望の開けた素晴らしい景観なのですが、干拓側の閉ざされた水面(車の前方)が、濁っているのばかりが気になりました。
雨のせいだといいのですが。
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