2026年10月17日土曜日

長春散策(関東軍②)


最初の写真は、長春にある「旧関東軍司令部」です。

日本で1930年代に流行した、和洋折衷の建築様式である「帝冠様式」が、現在も威厳を放っています。

以前に取り上げた、大連にある「関東軍司令部」は廃墟になっていましたが、この建物は現役バリバリで、今も「中国共産党吉林省委員会」が使用しています。

満州帝国の権力を誇示するランドマークでしたが、帝国が消滅した後を、権威主義国家の中枢を担う機関が引き継いだことで、過去からの異様な威厳をそのまま現代に保持しています。

ここだけは、門前で立ち止まったり、その前で写真を撮ることを禁止されていました。

反対側の通りを歩きながら、おそるおそる撮影した次第です。

当時もこんな雰囲気だったろうと、素直に感じますし、違和感がないとおかしいはずの日本城郭風の建物が、とても馴染んでいるのが不思議でした。

周囲の環境も影響しているからでしょう。

長春は、満州帝国の都として「新京」と改称され、革新的な都市計画に基づき建設された都市でした。

他の中国東北地方の都市には、日本的な雰囲気を感じる建物が残っていますが、日本人が建設していても、その様式は様々です。

しかし、ここは経緯からして別格の存在となっており、当時の国策を担う主要な施設が「帝冠様式」で統一感を持って建設されているため、日本の帝国主義を強く意識させる空間として残っています。

それらが、同じように主要な施設として継続活用されているのです。

それらの建物は、現在使用されている建物名称と別に、史跡としての名称が刻印されていますが、その冒頭には〝偽満州〟という言葉が、必ず追記されていました。

満州帝国は認めない、偽りの存在という意味でしょう。

下の写真は、「偽満州交通部旧史址」です。

必ずと言ってよいほど、玄関先に掲げられいる赤い旗を見ていると、国旗が変わった以外は、都市全体がタイムカプセルに入っているような気がしてきます。

かなり不気味に感じながら、散策しました。

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