2017年7月15日土曜日

原子力の村


東日本大震災後に初めて房総半島より北の太平洋を訪れました。

茨城県水戸市の海側にある「ひたちなか市」の海岸「阿字ヶ浦(あじがうら)」から北に向かって撮影したものです。

砂浜に何組かのカップルが繰り出しており、夕方のムードある光景です。

震災前後の変化はここでは何も感じませんでした。

しかし車の先に霞んで見える巨大な煙突は発電所のものです。

これは「火力」ですが不気味に見えます。

長い海岸線に突き出すように造られた埋立地にあり、ここから「東海村」の領域となります。

原子力発電がスタートした地で、現在も多くの原子力関連施設があり、日本の原子力産業の一大拠点となっています。

ここから東北へ向かう海岸線は「おいしい魚の獲れる良港」と、「エネルギー関連施設」が交互に存在する印象があります。

その中には「福島原発」も当然ですが含まれています。

今しがた海鮮丼を食べてきた「那珂湊おさかな市場」とあの煙突がオセロゲームを闘っている気がしました。


2017年7月8日土曜日

奥入瀬渓流


青森県にある「奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)」です。

あまりに有名な渓流なので、観光整備も進んでいると想定し、歩く前提の準備をして訪れたら、川のすぐ脇にある素朴な道路をずっとドライブ出来たので驚きました。

山口百恵さんの「緑の中を走り抜けてく真っ赤なポルシェ~」の歌詞が、車は黒で車種も違うのですが、頭の中でずっとリフレインされてました。

渓流といっても「十和田湖」から太平洋まで注ぐ「奥入瀬川」の上流で、れっきとした川の本流です。

しかし意外なくらい川も浅いので、足を浸して遊べました。

この写真も川の中に立って撮影しています。

ルートとしては弘前方面から「八甲田山」南側を通り、「谷地温泉」の効能を楽しんでから渓流を遡り、十和田湖畔へ到着しました。

天気も良くオープンカーでここまで楽しめるコースはなかなかないと思います。

木漏れ日が大変素晴らしかったです。

でも好奇心を満たしてくれたのは、道中の黒石市で売り出し中のB級グルメ「スープ入り焼そば」でした。

見た目はキモいですが、焼きそばなのにコシもまあまああり、ソースとカツオ出汁が微妙に混ざって旨かったです。

その後ブレイクしている噂は聞きませんが・・・・・。



2017年7月1日土曜日

一向衆の最後


写真は「鳥越城」の再建された「石垣・門・櫓」です。

北陸地方の「一向衆」による最後の拠点がここで、旧鳥越村(白山市)にあります。

中興の祖「蓮如」が、応仁の乱頃に福井と石川の県境にある「吉崎」の地にて御坊を構えたところが本格的なスタートで、「惣村」単位での発展策を推進します。

「個」は先になく、「坊主・年寄(としより)・長(おとな)」を運営者として、村ぐるみで門徒化していきました。

これに武士門徒も加わり、短期間で「教団化・武装化」が進み、自己の政治的・社会的地位の保持を求めて、領主・他宗派との武力闘争が展開されます。

最終的には守護大名「富樫氏」を滅ぼし、その後「加賀国」を合議制にて約100年間支配しました。

布教の拠点が出来てから支配体制確立まで、たったの約17年です。

「金沢城」も途中から北国総本山となった「金沢御坊」が基礎となっています。

(ちなみに総本山は大阪の「石山本願寺」で、現在の大阪城があるところです。)

しかし末期には、織田方の北陸方面総司令官「柴田勝家」の軍勢に攻略されていきます。

手取川上流の白山方面へと、どんどん奥地に追いやられていく中、この地にて軍事力としては収束してしまいました。

撮影ポイントに立つと逃げ場のないもの悲しさが漂っているような気もしましたが、基本的には「戦い」の気配しか感じませんでした。

宗教施設としての要素はなく、単純に城の遺構です。

「宗教存続」と「武装解除」は戦国史において別物と思いました。

2017年6月24日土曜日

平城京


世界遺産の「平城京」ですが、敷地内を近鉄電車が走っています。

今ならあり得ない光景ですが、当時は歴史遺産としての認知がいかに低かったかの証左でもあります。

しかし「乗り鉄」として早朝に乗ったとき、写真の「平城門」のかなり近くを通りました。

少し靄っていたこともあってタイムスリップするような錯覚があり、妙な心地良さがありました。

まさしく古代奈良の都へ、電車型の「タイムマシン」でやってきた、SFの主人公にでもなったような感覚です。

話は全く変わります。

奈良の方に怒られそうですが、ここに来るといつも抱く感覚があります。

教科書レベルで貴重な文化財ですら、かなり雑に扱っている感じがするのです。

京都とえらい違いです。

例えばですが、怨霊となったことで有名な「長屋王(ながやのおう)」の邸宅跡に某百貨店が店舗を強引に建てたことがあります。

「凄いことするな。」と思っていたら、すぐに某百貨店は不祥事で経営が傾き、その店舗は整理統合の流れで閉店となってしまいました。

迷信も含めてそういった霊感ポイントも多い場所ですが、何故かほっとかれている気がします。

ずっと住んでいると鈍感になるのかもしれません。

人間にも言えることですが、もともと持っている長所とか魅力を再認識する工夫も、日常生活で大事と感じます。

何事にも没頭しやすい自分は、特に「家族とのやりとり」が要注意です。

2017年6月17日土曜日

廃線跡


廃線になるまでに乗れなかった路線が結構あります。

今回の「のと鉄道」もその一つです。

「JR七尾線」と接続の「和倉温泉駅」から「穴水駅」までは今も存在します。

ただ以前は、北岸の「輪島」と東岸の「珠洲(すず)岬」の手前「蛸島(たこじま)」に、更に続いていました。

それぞれ2001年・2005年に廃止になったそうです。

写真は廃止直後の「珠洲駅」です。

まだ駅舎も線路も残っていて、至る所に痛々しく雑草が生えつつも「鉄道遺産」としての風情を感じました。

しかしたまたまですが、最近の写真を見つけてしまいました。

ホーム以外は線路も撤去され、周辺が真っ平らに舗装されてしまい、妙に浮き上がった景観となってしまっていました。

どうせ残すならもう少し風情を考えられないのかなと非常に残念な気持ちになりました。

鉄道に興味ない方でも「駅舎の周辺」に関しては、多少なりとも地域の思い出としての要素はあるはずです。

倒壊の恐れもあるので安易な放置は出来ませんが、今後老朽化した住宅等の撤去はますます増えていきます。

只の取り壊し作業ではなく、その後の景観を少しは考える方も、行政側でもっと登場して欲しいものです。

人口減による縮小傾向は、地方において逆らえない掟でしょうから、地域再生の視点として、民間・行政両面からの「断捨離」的な「美意識の構築」はより重要になってくると思います。

2017年6月10日土曜日

軍艦島


最近、長崎県の世界遺産に認定された「軍艦島」が話題です。

映画「007」の最近の作品でもロケ地になっていました。

が、私にとっての「軍艦島」は写真の「見附島」です。

石川県能登半島の東端にあります。

初夏に訪れて初めて観たとき、朝日が海に反射して岩肌を照らしていました。
(写真は、眩しすぎたので光りを抑えて撮影しました。)

それが金属っぽく見えてリアルなのにビックリしました。

橋桁に見える石の連なりは、実際に歩いて島の近くまで行けます。

上部には艦橋とか主砲とかの建造物をイメージするものがあるわけではないので、「船島」と呼ぶのが妥当なのかもしれません。

しかし悠然と構えている雰囲気に、「海の男だ艦隊勤務、月月火水木金金」の歌が聴こえてくる気がします。

何故かそのとき、学生時代にバイトしていた飲み屋で、右翼のオッチャンがカラオケを熱唱していたのを思い出しました。

今は残業に厳しい社会になりつつありますが、当時は「24時間働けますか?」が流行歌でした。

この海岸は「恋路海岸」と呼ばれ、よく知りませんが「鍋乃と助三郎の非恋物語」の逸話があるそうです。

風光明媚であり、温泉・魚も揃っています。特に個性的な宿は最高です。

今回はリッチにも「湯宿 さか本」に泊まり、地元料理を堪能しました。

さすがの一言でした。

2017年6月3日土曜日

京都駅


「京都駅」です。

電車があるから駅だとわかりますが、写真を撮っている周囲の空間は、もはや駅なのか百貨店の一部なのかよくわかりません。

駅独特の油臭い香りが全くありません。

改札が3階より高いところにあるため駅を眺める高さも感覚が違い、違和感を感じます。

最近の「大阪駅」にいたっては、線路全体を覆うように北側と南側の駅ビルをつなげて大きなフードが付いたので、そのうち宇宙船でも入ってくるのではと錯覚してしまいそうです。

(しかしフードが高すぎて横風の雨だと普通に濡れます。何の意味があるのでしょうか。)

「京都駅」はフードがないのでそこまでではありませんが、駅ビルの近未来感はすごいです。

「京都タワー」建設で物議を醸した京都市民の方々はどう思っているか伺ってみたい気がします。

外国からやって来た観光客も「古都」に鄙びたイメージを持っているはず、それが「伊勢丹」の入った巨大ビルの見上げるようなイルミネーションが出迎えてくれます。

ギャップの大きさに場所を間違えたと思わないか心配です。

また、普通の幅の広い階段が減ってエスカレータが増えたのですが、幅が狭いため旅行者のコロコロバックがあると1列になり、急ぐ人が追い越せません。

ホームで乗り降りのたびに渋滞が発生し、意外と旅行者に優しくない気がします。

と言いながら話は飛びますが、京都ほど「ロック」な姿勢を感じさせる地域はないと思います。

高級料亭が多いのにラーメンも旨い、懐石料理の本場なのに中華料理も充実してます。

伝統を重んじる中で、二律背反が常に存在し、新しいものが生まれ続けている息吹を感じます。

いつも新しい発見があり、それで何度も行きたくなるのかと思います。

この文章書いている途中で、やっぱり駅の近未来感は似合っていると考え直しました。