2016年1月30日土曜日

おろちループ


撮って気づいたのですが、「撮り鉄」として車で道路を走り、線路を撮影することはよくありますが、列車に乗っていて道路を撮影することってないなあと思います。

写真は木次線からの「おろちループ」です。

「ヤマタノオロチ」伝説とかけてうまいネーミングです。

しかし車で走ったこともあるのですが、とぐろを巻いてドライブする印象は残っていません。

広島県と島根県の県境にあり、怪物「ヒバゴン」で有名な比婆山の近くです。

「備後落合駅」を出発、日本海側に入った途端にこの雪景色です。

「三井野原駅」から「出雲坂根駅」の間にあり、車掌さんがわざわざマイク説明のうえ徐行してくれました。

また「出雲坂根駅」では途中下車しなくても、スイッチバックの際に降ろしてくれて、じっくりその動きを見学、奥出雲の銘水が飲めるうえ、脇のたぬきの置物までがほっこりさせてくれます。

更に、その先には映画「砂の器」で有名な「亀嵩駅」があり、駅内のおそば屋さんが有名です。

別にうまいわけではありませんが、旅情的に毎回食べずにはいられません。

2016年1月23日土曜日

片倉小十郎


「片倉小十郎景綱(かたくら こじゅうろう かげつな)」

個人的に戦国武将名で一番カッコ良いと思っています。

伊達政宗の片腕として手腕を発揮し、秀吉・家康のスカウトも断り忠義を貫きました。

政宗が18歳で家督を継ぎ、約5年間で奥羽地方の約半分を手中にして、奥羽最大の大名にのし上がる過程において、10歳年上の守役からスタートした補佐役の存在は、公私にわたって非常に大きな存在だったと推察出来ます。

写真は居城の「白石城」で、再建天守ですが木造です。

伊達藩の南警護(江戸方面)の重要拠点でした。

一国一城令後も例外として存続を認められ、この三層櫓(実質の天守閣)を有していました。

陪臣ながら一万八千石の格式を与えられ、後継者は代々「小十郎」を名乗り、伊達藩内の確固たる存在として明治維新まで続きました。

カッコ良ぎます。

美学を感じる逸話です。

「白石駅」前で自転車を借りられ、城下町の名残を散策出来ます。

その日は気温は低かったのですが、風もなく冬晴れして非常に気持ちいい日でした。

老舗の酒屋さんで作っていた「大吟醸アイス」は、酔っ払いそうな風味で最高でした。

2016年1月16日土曜日

コシャマインの乱


北海道の道南にある日高本線「静内駅」を下車し、アイヌ民族資料館に向かいました。

ここは江戸時代前半に松前藩に対して大規模蜂起した、アイヌ首領「シャクシャイン」のシャチ跡いわゆる城跡です。

和人対アイヌ人という民族間の戦争でした。

写真のシャクシャイン像や館内の大きな蝦夷柄の衣装を見ると民族の独自性が色濃く出てますが、紋様に普遍的な美しさがあります。

先の大戦(応仁の乱頃)である「コシャマインの戦」でも同じパターンなのですが、和人側の「交易での不平等要求」と「だまし討ち」が目立ちます。

同じ民族内の駆け引きと違って、異民族への格差が明確に存在し、理不尽が当然の風潮を感じます。

とは言え、武田信玄と同族の若狭武田氏出身である「武田信広」が「蛎崎氏」を継いで松前藩が成立する過程は、滅亡の危機に瀕しながらの綱渡りです。

戦国時代であり本州への支援要請は、おそらく南部氏か津軽氏への従属を意味します。

孤立を前提としての異民族との戦です。

米が収穫出来ず「石高」への定義も定まらない地域での支配権の確立は、未知の領域だらけで、和人としてのサバイバルを感じます。

2016年1月9日土曜日

天平道


家の横からまっすぐに延びている道は、農道に見えます。

実際そのように使われているのですが、聖武天皇の奈良時代から存在しています。

「天平道」と言われる道で前方には「出雲政庁跡」、撮影している場所も含めた直線で囲まれている敷地が「出雲国分寺跡」です。

夏は草がぼうぼうでわかりずらいのですが、雪のおかげで溝がくっきり浮かび上がり基壇を含めたレイアウトがよくわかります。

礎石もしっかり残っています。

山陰方面に行くと好きで何気によく通りますが、いつも誰も見かけません。

電柱と家を気にしなければ雰囲気は奈良時代とあんまり変わらないように思え、結構タイムスリップ出来ます。

島根県東出雲町にあり、出雲市より斐川町・松江市をはさんで東側に離れて位置します。

地名に古代の出雲国の名残を感じますし、実際この地域の遺跡・文化財は国宝・重要文化財級の指定を受けて数多く残っています。

京都と比較すると観光地としては洗練されていない部分は多いのですが、人混みの中で文化財を見る煩わしさは全くありません。

向き合う目的がある場合、山陰の歴史物や何気ない風景は最高です。

雪景色にしては暖かい日で、今回もいろいろ考える機会をもらえました。


2016年1月2日土曜日

所作と喜び


明けましておめでとうございます。

いつもの風景写真と違いまが、京都嵐山近郊の甘味処で撮影した一枚です。

新年を迎え、あらためて原点を考えたいと思います。

店の窓から何気なく下を見ると当時の愛車が見え、車の鍵と偶然重なっていたので思わずカメラを向けました。

基本性能やレイアウトに無理があるイタリア車ですが、デザインは冴えていると思っています。

破綻してそうでギリギリ耐えている、最初違和感があっても徐々にクセになってくる感じが大好きです。

鍵も小技が効いていて、付属のキーホルダーも多種多様です。

この鍵は、アルミの削り出しで作られたもので、キーホルダーも銀製、青色の部分は七宝焼きが奢られています。

その代償としてオート操作機能は全くなく、鍵穴でドアを開けなければなりません。

不便なことも多いのですが、車を動かすまでの所作を真剣に考えさせてくれます。

趣味が実用を越えてくる満足感。

生活の様々な所作に喜びを感じることこそ豊かさの第一歩なのかもしれません。

デルタカフェも皆様のおかげで2年目に突入しました。

喫茶のみならず、些細なことでも「豊かさ」を感じられる店として励んでいきたいです。

引き続きのご愛顧をよろしくお願いいたします。