2018年12月29日土曜日

塔婆の碑文 群馬


利根川より北に対しては、何かしら「北限」みたいなものを意識して旅行している気がします。

歴史的には「古墳」の形態であったり、「律令体制」の影響だったりします。

この写真も、りっぱな瓦付きのガラスで覆われているので見にくいですが、中にある「石造三重塔」が主役です。

埼玉県北部から群馬県南部の「赤城山麓」にかけて「城巡り」をしている最中に、偶然地図上で発見したものです。

「塔婆の碑文」と記されていました。

なんと国の重要文化財の指定を受けていて、文化財が比較的少なく感じるこの界隈では、失礼ながら貴重な存在です。

それで寄ってみたら「はるばる来たぜ。」感が最高でした。

一面の雪景色を、背景の赤城山が寒そうに盛り上げてます。

妙に澄んだ青い空も余計に冷たそうです。

通称は「山上多重塔(やまがみたじゅうとう)」と呼ばれるらしく、平安時代初期に「道輪」という「法華宗」の僧侶が、地域安楽のために仏教教典をこの中に納めたそうです。

そのため塔身は一石を削られて作られています。

よくぞ今まで「赤城おろし」の強風に耐えてきたと、僭越ながら労いたい気持ちになりました。

何事もかくあるべしです。

2018年12月22日土曜日

栃木の朝日 


少し掲載の時期が早いのですが、元旦から青春18切符を使って北方に向かいました。

福島県の「米沢」へ向かう途上、「小山駅」で乗換え列車を待っていたときに、タイミング良く出てきた朝日を撮影したものです。

だんだんと空が赤焼けしてきて、神々しい見事な登場でした。

間違いなく今年は良い年になると直感させてくれました。

実際どうだったかははっきり覚えていませんが・・・。

昨年も同じようなことを言ったかもしれませが、クリスマスの少し前、今年もあと10日前後の時期は、新年の期待と今年の後悔が入り交じります。

やれたことよりも反省することが多いので、新しくなる手帳に必ず「やりたいこと」を列挙書きするようにしてます。

手帳は就職してから変わることなく、同じ種類の同じサイズを使っていて、終わりかけた年の手帳に書いていた「やりたいこと」に「○か×」をつけます。

「喫茶店をやる。」という項目も、過去にはずっと書いてあって何回か「×」の後、ついに項目から消えました。

周囲からは器用そうに言われることが多いのですが、自身は不器用だと思っています。

「執念」とか「根性」のようなご大層なものではなく、「忘れてしまわないこと」が大事だといつも心がけています。

そういう意味で、このブログを書く行為は、自分にとって年々重要度が増しています。

2018年12月15日土曜日

不忍池


上野にある「不忍池」の景色です。

学生時代に同じ場所で眺めていたら、自衛隊に強引に勧誘されたのを思い出します。

枯れて茶色に変色した「蓮の花」が、水面が見えないほど一面に広がり、圧巻の冬景色です。

「蓮」は極楽に咲くと言われてますし、写真のように天気の良い日だと、光の反射で茶色でも仏壇のくすんだ金色に見えます。

一人で佇んでいると、遠方に弁天島が見えて「極楽浄土ってこんな感じかなあ。」と錯覚してしまいそうです。

ここに来るとき不思議なのですが、「爽快なときか」、「落ち込んでいるときか」の両極端な気分のときが多いです。

このときは前者の気分でした。

「上野」は美術館が多いので「東京」が出張先になると、そのときの「企画展」をチェックしてよく訪れます。

たしかその流れの帰りでした。

ちなみに後者の気分のときは何もかも忘れて、上野発の夜行列車に飛び乗って、北へ向かいたくなります。

残念ながら今はもう夜行列車は「廃止」されてありません。

だんだん寂しくなってきました。

2018年12月8日土曜日

首里城


全国の都道府県の中で唯一行けてなかったのが「沖縄県」でした。

城好きなのに、恥ずかしながら「城(グスク)」巡りが全く出来ておらず、沖縄到着後真っ先に向かったのが「首里城」です。

復元された本殿や周辺の構造物も「世界遺産」だけに見応え十分ですが、何といっても素晴らしいのは「石垣」でした。

独特の滑らかな積み方は石と石の隙間がありません。

また写真に見える石垣上部の少し突き出した部分は見張り台で、こうすることで死角をなくせるようです。

少しずつ滑らかな弧を描いて反り上がっており、特に見事な曲線美です。

下から見られることもかなり計算された「威厳を示す」演出だと思います。

この後ぐるりと城壁を一周しましたが、カーテンレースが波打つようなうねりがバランス良く展開されていました。

日本の「近世城郭」の発展経緯とは異質な文化の中で、進化していったのだと思います。

まだ訪れてない「城(グスク)」がどのような風情なのか大いに興味が湧き、次回の計画を考えながら、今の観光を楽しみました。

2018年12月1日土曜日

四国村 灯台の庭


香川県屋島の麓に近い「四国村」に行ってきました。

船橋に住んでいたとき、通っていた「首都高」脇にある大きな倉庫の壁に、何故か「四国村」と描かれていたのが、気になるキッカケでした。

愛媛に戻ってからも「松山道」で松山方面に向かうとき、倉庫の壁に同じ字体のロゴを発見。

漸く調べて具体的な存在を確認し訪れた次第です。

昔ながらの伝統建造物がたくさん移築されており、どれも興味深く拝見させてもらいました。

全部取り上げたいくらいなのですが、あえて選ぶとしたら「灯台の住居部」にあった玄関前に横たわる「池」です。

玄関通路を橋に見立て、その下もつなげて左右に広げた「ヒョウタン形の池」が作られていました。

複数ある住居部のどれにも同様のものがあり、生活様式として定番化されていたのだと推察されます。

しかもコンクリート底の浅い池です。

実際のところ、どう使われていたかは全く知りません。

勝手な想像ですが、もしここに金魚とかが飼われていたのかと思うと微笑ましいです。

一般的に灯台の周囲は人里から離れ、ジャングルに近いくらい木々が茂っているので、普通にある自然に対して、愛らしい要素など感じない気がします。

孤立した中で、人工的な「観賞魚」の色彩は、唯一の「癒し」だったも。