2020年4月18日土曜日

進水式


仕事のお取引先に造船の会社があります。

ご本社事務所に伺うと、目の前が造船場になっており、出来上がっていくのが見えます。

大体三ヶ月に一隻のペースぐらい完成するので、運が良ければ進水式に立ち会うことが出来ます。

写真の船はまさしくそのタイミングでした。

なかなか壮観な光景です。

船の足元に引かれている紅白の幕引きの中には、関係者の他に社会科見学で幼稚園児も招待されているらしく、異常なテンションではしゃいだ声が場を盛り上げています。

その周囲と言いますか、面した道端に造船に関わった従業員(私も含む)が見守る中、上を見上げると本社ビルから艦橋のように突き出したフロアにが目につきます。

そこは船の甲板が見える高さに合わせてしつらえたデッキになっていて、船首と向き合うように船主の方々と、建造した会社の役員方が、船出するための祝賀の儀式を執り行っているようです。

神主さんの寿ぐ声が小さくですが聞こえていて、何となく進行状況がわかります。

たまたま隣に居合わせた知っている従業員の方が「いよいよですよ。」と教えてくれました。

すると、金属が擦り切れるブザーのような大きな音とともに、後ろ向きで海へ向かって着水していきました。

山みたいな鉄の塊が動いて、そのままちゃんと海に浮いているのが不思議です。

最近は今治の造船業が過去の不況を乗り越えて、海外とも戦える日本で最大の拠点になっています。

最近、財閥系大手重工業の会社も撤退してしまい、軍艦を除けば今治が最大手になっています。

しかしバリバリの産業地帯なのに、しまなみ海道がすぐ近くにありサイクリングも盛んです。

工業に風光明媚が備わった独特な地域だとあらためて感じます。

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